現代ヨガと伝統ヨガの違い

2500年の伝統と叡智

現代ヨガと伝統ヨガの違い‥

開眼か?閉眼か?

ヨギ・バジャン師は自分自身が強固な寺院にならなければいけないとおしゃっていました。
ヨガの修業は,武術などとは異なり,何かの団体に属して集団で修行する理由は何一つありません.代々のヨガ行者も皆一人修業が基本でした。
 
群れる必要はどこにもないのです。
 
それは,現代のヨガのようにお互いにポーズの出来や柔軟性を競い合うようなフィットネス系ヨガとは異なるからです。
 
伝統的ヨガの世界では,目を開けた世界は幻,迷妄(マーヤ)と考えられ,目を閉じた世界が本質と考えられています。人間の感覚情報において,目から入ってくる情報が全てと言っても過言ではないくらい人は日々視覚に頼り,良くも悪くも影響を受けています。
 
受験会場で周りの受験生が自分より賢く見えたり,格闘技であれば見た目で強そうかどうかを判断してしまいます。ただ,当然見た目と真の実力はイコールではありません。
 
真に実力があれば,見た目を強そうに見せたり,賢そうに,または威厳があるように見せる必要もないのです。自信がなければ逆に外見にこだわります。
 
ですので基本的にどの世界でも表になかなか出てこない真の実力者は皆,普通の格好をしています。これは私の経験上ほぼ間違いないと思っています。
 
まあ,いずれにしましてもヨガでは,目からの情報は真実ばかりではない,ノイズも多いと考え,目を閉じなさいというわけなのです。
 
伝統的ヨガとモダンヨガの違いは単純な所で,開眼か,閉眼か,ポーズにこだわるか,内感覚(心身の内部変化)を重視するか,アウターヨガ,インナーヨガという所にあります。
 
ただ目を閉じるという事一つとっても非常に極意的なことだ思います。ただ目を閉じただけで無限なる内なる世界が果てしなく広がっていくのです。
 
(辻先生オフィシャルブログ:心を極めん我がヨガ道より抜粋)